「289」夏見の里

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(289)夏見の里
「伊勢参宮名所図会」は、寛政9年(1797年)に刊行された京都から伊勢までの名所・旧跡を紹介した伊勢参拝の
ガイドブックです。
223年前の『夏見の里』にタイムスリップしてみましょう !。
店先に「心太(ところてん)」の看板が見えますが、これがこの地の名物でした。

(289)夏見の里5
方丈記に行く水の
流れは元の水
にあらずといへども
この木偶の行衛
は元の水にして
しかも昼夜をすて
ずただ過ぎにすぐる物
と枕草子にいひし
類とやいわん

(289)夏見の里3
木偶の部分を拡大してみました。
『夏見の里』についの説明には、
「この所桜川の名酒、また四季とともに心太を売る茶店多し、
その家ごとにはしり水をしかけ、木偶(にんぎょう)をめぐらして旅人の目を悦ばしむ」 もありました。

走り水でクルクル回る木偶を面白がって見ている旅人たちが描かれていますね。
店の方が「ところてん」を皿に押し出しているのも見えます。

(289)夏見の里2
刀を差した二人は、お酒を飲んでいます。
笑顔が良いですね。
きっと名酒の "桜川"なんでしょう !!

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「さくら川」・「桜川」の徳利を持っておられる方にお願いして、写真を撮らせてもらいました。
一升が入る徳利です。
これで酒蔵へ買いに行ったのでしょうね ? 

(289)IMG_0033.jpg
裏側に番号が刻まれた徳利もありました。

(289)夏見の里4
左側上部にある「二本杉」の部分も拡大してみました。
旅人二人が坂道を登っています。
その先には二本杉。

(289)P1070008.jpg
二本杉とも呼ばれていたが、一本は安永二年(1773年)の台風で倒れました。
残った一本は、親しみを込めて「弘法杉」の名で大切にされています。
「弘法杉」のいわれは、弘法さんがこの地で『杉の箸』を食事の時に使い、突き刺した箸から芽が出て大木となったと
伝えられています。樹高約26m、周囲6m。

方丈記に
『行く河の流れには絶えまもないが、それでいて、水はつねにもとの水ではない』・・・
枕草子では、ひたすらに過ぎるものとして
『人の歳と春夏秋冬』であるといっている。

今も時が過ぎ去っていることに気づかない私は、木偶と同じ類だね!!



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